10月16日から19日まで、幕張メッセにてIT技術とエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC JAPAN 2018」が開催された。今年は「つながる社会、共創する未来」をテーマに、あらゆる産業・業種による「共創」を基本としたビジネス創出と、技術および情報交流などを一堂に会し、経済発展と社会的課題の解決を両立する「超スマート社会(Society 5.0)」の実現を目指す取り組みが多く展示された。登録来場者数は15万人を超え、前年を上回る来場者の中で閉幕した。

会場では、ドローン、お掃除ロボット、自律運転車などの「エンベデッド・ビジョン」製品をIoTでつなぎ、業務の自動化や作業効率の向上を訴求する企業が多く見られた。

IT関連のウェブメディアは、多くの出展企業の様子を掲載した。コマツでは、5Gを使った建機の遠隔操縦をデモンストレーションし、それをライブで中継。無人で動く油圧ショベルが、AIを用いた画像分析やセンサーによる地形計測を行いながら、掘削・旋回・積込を行っていた。また、土砂を積み込んだ無人運転のダンプが、カメラなどによる障害物検知を行い、指定された場所へ運搬・排土する作業を紹介した。

NEXCO東日本では、インフラ設備の点検や保全研修にドローンやロボットを活用したインフラ点検システム、高速道路の図面データや点検情報、補修履歴といったデータベースを一括表示する技術などを紹介。また、点検すべき箇所をAIが提案してくれるシステムの開発を進めているという。

日立製作所では、AIやロボティクスをインフラ事業に活用した事例を紹介。ソニーの犬型ロボット「aibo」に話しかけ、同社のロボット掃除機をつなげて操作するというデモンストレーションを実施するなど、「エンベデッド・ビジョン」の世界が、様々な産業で活用されていることがわかる。

時代の流れによりイベントも内容が変化

以前のCEATECは、“家電・ITの国際見本市”として多くの家電メーカーが新製品を発表する場であったが、2015年に来場者、出展者が過去最低となったことで、開催目的にも変化が必要となった。

ウェブメディアによると、CEATEC JAPAN 実施協議会の鹿野清氏はその変化の理由について、「変化を目指す中で考えたのは、日本の産業界の方向性だ。変化の方向性を考えていた当時、日本政府が訴えた超スマート社会『Society 5.0*1(2016年発表)』や、産業のコンセプトである『Connected Industries*2(2017年発表)』などもまだなかったが、こうした新たな産業の変化の動きが巻き起こっていることは捉えていた。各企業の動きもこれらを捉えようとする動きが広がっており、従来の産業界の枠組みを大きく変えるような動きも進んでいた。そこで2016年に『CPS(Cyber Phisical System)/IoT展』を掲げ大きく方向転換することを決めた」という。

*1 Society 5.0:サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society)。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。

*2 Connected Industries:様々なつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会。デジタル化が進展する中、日本の強みである高い「技術力」や、高度な「現場力」を活かしたソリューション志向の新たな産業社会の構築を目指す。

製造業も“つなぐ”がキーワード

製造業のイベントにおいても、“つなぐ”がキーワードになっている。11月1日から6日にかけて、東京ビッグサイトでは2年に1度開催される工作機械の国際見本市「JIMTOF2018」が開催されている。今回のJIMTOFでは、様々な“つながり”が体感できる展示を紹介することになっており、特に主催者の企画展示では、すでに実用段階に入った各社のIoTプラットフォームを活用し、会場内の展示機と企画展示ブースを“つなぐ”ことにより、会場を一つの巨大な工場に見立てる展示を実施している。

工作機械業界においても「新たな情報化の時代」に直面しており、ものづくりと情報の融合化が一段と急速に進展しつつある。そのような状況において、工作機械を中心とした設備の稼働状況をリアルタイムに把握することが、新時代への対応への第一歩と考えられており、今回のJIMTOFでも工作機械をつなぎ、業務の自動化、稼働状況の見える化を実感できる展示が数多く出展されることになる。

“目”を持った製品は、工場内にとどまらず、今後もさらに様々な場所で活用されることになり、「エンベデッド・ビジョン」の世界は広がりを見せるだろう。そして、それらの製品をつなぐIoTの技術もさらに進化するはずである。そうした世界の変化を体感できるイベントがさらに増えていくことで、私たちも産業の変化を知ることができるのではないだろうか。